学生時代はPentaxのK-30とK-S1を使っていた。 選んだ理由はシンプルにカタログスペック上のコスパが良いと感じたから。 実際使ってみると、旅行先で風景写真を撮るなどの用途には不満を感じなかった。
就職してから妻(当時の彼女)がOlympusのカメラを購入するのを横目に眺め、マイクロフォーサーズのコンパクトさとミラーレスカメラの充実した機能を羨ましく思うようになり、気づけば自分も同じマウントでE-M5 mark IIを購入していた。 レンズは12-40mm F2.8を使っていて、後から軽さと明るさを求めてPanasonicの25mm F1.4を買い足した。
子どもが生まれて、元気に歩き回るまで成長してから、E-M5 mark IIのAFに不満を感じるようになった。 2022現在、OlympusはOMDSに名前を変え、OM-1やOM-5など新しいカメラを手掛けていた。 そこまでお金に余裕があるわけではないが、これら同一メーカーの機種だけでなく、他のメーカーへの乗り換えも検討してみることにした。 なお、APS-Cとフルサイズでマウントを共用しているC, N, S社は、AF性能で比べると間違いなく筆頭候補だが、予算的に許容できるAPS-Cを買うと、将来フルサイズへのコンプが刺激されそうで怖いので、見送ることにした。
評価ポイントとして、E-M5での不満点を考慮し、下記を評価してみることにした。
- AF: 動体(子ども)が合わない。コントラストAFであることに原因がある気がする。
- 絵作り: 大きな不満があるわけではないが、ちょっと飽きてきている。PanaやFujiの記憶色的な絵作りに興味がある。
- 操作性: 設定項目が分かりづらい。タッチパネルなども限定的にしか使えない。
- 運搬性: これは現状不満があるわけではないが、乗り換えの際にあまり重くなってほしくない。
- 動画: 以前旅行の際初めて外付けマイクで挑戦したが、Full HDの画質がスマホより悪かったのと、30分制限が不満だった。
以上の不満点が買い替えによってどこまで改善しそうか、独断と偏見で点をつけてみることにした。
機種 | 価格 | AF | 絵作り | 操作性 | 運搬性 | 動画機能 | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
E-M5 mark iii | 10 | 5 | 5 | 4 | 8 | 5 | 37 |
OM-5 | 6 | 6 | 5 | 4 | 8 | 7 | 36 |
E-M1 mark iii | 8 | 8 | 5 | 7 | 7 | 6 | 41 |
OM-1 | 2 | 9 | 5 | 6 | 7 | 8 | 35 |
G99 | 9 | 4 | 7 | 8 | 6 | 7 | 41 |
G9 | 9 | 5 | 7 | 7 | 2 | 9 | 39 |
GH5m2 | 3 | 6 | 7 | 8 | 4 | 10 | 38 |
X-T5 | 1 | 6 | 10 | 4 | 6 | 10 | 37 |
X-S10 | 3 | 6 | 10 | 4 | 7 | 8 | 38 |
評価軸ごとにコメントすると、
- 買い替えのきっかけであるAFは、OMDS>Fuji>Panaの順だと感じた。コントラストAFも最近は速いと聞いたが、G9のAFを店頭で確認してみると、AF-Cを試すと合焦後にウォブリングが発生してしまっていた。コントラストAFの仕組み上これは避けられないっぽい。
- 絵作りはFuji>Pana>OMDSの順に好みだった。OMDSは悪いわけではないが、趣味で使う分には記憶色に近い方が好ましい。Raw現像をするまで時間をかけていない自分にとって、撮って出しでいい感じになるFujiのフィルムシミュレーションは羨ましい。またAPS-Cだと大きなボケを表現できるのも良い。
- 操作性は、Pana>OMDS>Fujiの順だと感じた。E-M5で慣れていたが、やはりOMDSのメニューはどこに何があるのか分かりづらい。Fujiはクラシカルなボタン系統が単に慣れを必要としそうだった。
- 運搬性は、本体の重さ、レンズの重さ、本体の持ちやすさで決まるように感じた。たとえ少々重くても、グリップがしっかりしていればカバーできるように思えた。これを踏まえて機種順に並べると、OM-5=EM-5>EM-1=OM1>G99>X-S10>X-T5>GH5m2>G9。EM-1やG99のグリップが自分の手にはスイートスポットだと思えた。X-S10は軽くてグリップも深いが、小指余りが辛く感じた。
- 動画性能は、Pana>Fuji>OMDSの順だと感じた。Pana、Fujiは静止画と動画の設定を分離して保存できるし、多くの機種が制限時間なしの4K撮影に対応している。OMDSもカタログスペック上は4K撮影に対応しているが、OM-1を除き30Pまでであり、カスタムダイアルに設定を保存することも難しい模様。
候補機種ごとにコメントすると、
- Em-5 mark iii: 現機種と違って位相差AFを採用しており、AFの不満は薄まりそう。重さも軽くなっているが、プラボディが残念。コスパはいいが、現機種と変わり映えしなさすぎる感じがある。
- OM-5: 最新機種であり、EM-1 mark iiiの機能の多くを受け継いでいるが、価格がまだ高い。プラボディ、micro usbが残念。
- E-M1 mark iii: 買い替え候補の筆頭。高いAFと連写性能、マグネシウムボディがOM-5より優れている。少々重いが、グリップがとても良いので、撮る時は疲れなさそう。動画性能は4K30P8bit, 30分制限ありで、少し不満だが、それ以外は及第点。
- OM-1: 機能的にはE-M1 mark iiiの完全上位互換だが、防水機能の確保のためか、持った感じがE-M1の方が手に馴染む。価格も25万と高い。
- G99: AF以外完璧なカメラ。G9より軽く、クロップアリだが4K30Pを制限なしで撮れる。グリップも良いが、若干小指が余るのと、中指の窪みが小さく感じる。
- G9: でかい。G99と比べ、AFに人体認識がついていることが強み。30分制限アリだが、4K60Pがクロップなしで撮れるのも良い。けどでかい。
- GH5m2: 4K60P10bitを内部収録で撮れるという、ピカイチの動画性能。カメラ単体でライブストリームできるという意味わからん機能もついている。けどでかくて高い。
- X-T5: Fujiの最新機種。4000万画素の写真はデータの取り回しが悪くなるが、クロップでズームできるのはかなり魅力的。最近発売されたSigmaの18-50mm F2.8と組み合わせると幸せになれそう。けどOM-1と同程度のコスト。レンズも新調することになるので、やや非現実的。
- X-S10: Fujiの手ぶれ補正付きボディの中で最も安く、詳しく調べる前は買い替え候補の筆頭だった。実際触ってみると、ボディのチープ感と、持った時の小指あまり、背面ボタンの少なさが気になった。
結論。EM-1 mark iiiかG99を買いたい!