この4月から、東京大学の数理科学研究科に博士後期課程の学生として入学することになりました。
入社当初から会社の上司には学位を取りたいと伝えていたのですが、足掛け5年でようやくスタートを切ることができた次第です。
入社時は学生時代の指導教員が会社の近くに研究室を構えていたため、そこに通うことを狙っていたのですが、東京転勤によって難しくなってしまいました。
東京で会社に勤めながらチャンスを伺っていたところ、共同研究のご縁から指導を許可いただける運びとなりました。 なお、仕事は続けるので社会人博士です。

修士までは制御工学のどちらかというと理論寄りの研究をしており、会社でもそこで培った知識を用いて研究していたのですが、博士課程ではより数学的な研究をさせていただくことになります。
具体的には、制御にまつわる偏微分方程式を数値的に解く際に、代数解を精度良く近似している保証を与えてくれる計算手法の開発を目指します。
このトピックは会社で研究を進めるうちに遭遇した課題であり、少なくとも自分にとっての需要は大きいです。
一方、解決には偏微分方程式に関する深い知識を必要とするため、素養が皆無の自分には明らかなチャレンジだと感じます。

加えて、プライベートな懸念もあります。
入社当初は独身で失うものもなく、休日に頑張れば両立できると高を括っていました。
しかしながら5年たった今、結婚し子どもを授かったことで、土日も家庭に時間を割く必要が生じています。
このような状況において、博士課程の3年は一瞬であり、時間との戦いになることは明白です。

以上のように不安は尽きませんが、30代最初の挑戦として相応しい舞台に立てたことを前向きに捉えて、しっかり時間管理して研究に励もうと思います。