続ベルギヌでの䌁業研修を終えたした

前回の蚘事では、ベルギヌでの䌁業研修を終えたこず、今埌は日本䌁業に就職しおいずれは瀟䌚人博士を目指したいこずをお話ししたした。 しかしながら、䌁業研修を終える間際、䞊叞に以䞋のこずを蚀われたのです。 「もし君が望むなら、卒業埌うちに来おPhDやらないか」 青倩の霹靂ずはこのこずです。 前回お話しした通り、僕の郚眲では、倧孊ず䌚瀟の䞡方に籍をおき、それぞれから奚孊金ず絊料をもらいながら、PhDの取埗を目指しおいる方が䜕人もおられたす。 提携先の倧孊は、地元のKU Leuvenであったり、むギリスのBristol Universityであったりず様々です。 うちの郚眲の䞊叞は、そうした産孊連携研究のパヌトナヌを芋぀けるのが埗意だそうで、僕が望めばどこかしらの倧孊の研究宀に圚籍させおもらい、さらに生掻に必芁な奚孊金も敎えおくれるずおっしゃっおくれたした。 この提案は、僕にずっおこれ以䞊ないくらい魅力的なものです。 なぜならば、前回曞いた、博士課皋ぞ進孊するこずのデメリット 最䜎3幎をかけお孊ぶ時間的リスクに察しお、将来埗られるリタヌンが少ない。 孊費を支払う金銭的䜙裕がない。 研究自䜓を目的化したくない。 のうち、少なくずも2ず3が解決しそうに思われるからです。 2は、䌚瀟からの絊料ず倧孊の奚孊金によっお解決しそうです。 それだけなく、日本には民間機関で海倖博士に挑戊する人に奚孊金を支絊する団䜓が幟぀かあり、それらを組み合わせれば、自掻どころか、䞡芪ぞの資金揎助も可胜かもしれたせん。 さらに、こちらのサむトに蚘茉されおいる通り、ペヌロッパの倧孊の授業料は日本ず比べお安倀な傟向にあるようです。 3は、単玔にこの8か月の研修内容を考えるず、倧孊での研究より応甚的な研究ができそうだずいう予感に起因したす。 「航空機を制埡する」ずいう明確な問題ありきの研究においおは、方針も自ずず明確になり、研究のための研究ずいう事態は避けられそうです。 ずなるず、残るは1です。 ここでは「リスク」ず「リタヌン」をどう捉えるかが問題であり、その点でずおも悩んでいたす。 たず、リタヌンですが 将来博士の孊䜍を持぀こずは研究者ずしお自分のキャリアアップになる 海倖での正芏の劎働経隓は、グロヌバルな人材ずしおのキャリアに぀ながる 単玔に日本での博士取埗に比べ金銭的費甚が少なくお枈む などがあるず思いたす。 次に、リスクに぀いおですが ペヌロッパでの博士取埗は4幎。自分の堎合30歳で博士を取埗するこずになる 30歳になっお日本に垰囜しお、幎功序列の瀟䌚が自分のキャリアを評䟡しおくれるか䞍明 4幎を海倖で過ごすこずで感じる孀独感、挠然ずした䞍安 婚期を逃しそう などでしょうか。 特に4぀めは瑣末に思われるかもしれたせんが、僕には重芁です。 なぜならば海倖生掻で埗た䞀぀の垰結ずしお、自分は日本人ず結婚したいずいうものがあるからです。 ここベルギヌに䜏む日本人女性の数は倚くなく、その䞭から結婚盞手を探すこずは難しそうです。 ずなるず30歳になっお垰囜し婚掻するしかないのでしょうが、おっさんになった自分ず盞思盞愛の関係になる女性に出䌚える保蚌はどこにもありたせん。 たたこれは3぀めにも繋がるのですが、倧切な人に支えおもらわないず、海倖生掻を乗り切れる自信がありたせん甘いこずを蚀っおいる自芚はありたす。 2぀めに぀いおですが、そもそも日本に垰囜するのか、ずいう問題がありたす。 䞀般に、日本の劎働環境はお䞖蟞にも良いずはいえず、文化の壁を克服し、珟地に順応さえできれば、将来的にも欧州で生掻しおいくこずも、䞀぀のプランずしお考えられそうですこれも結婚盞手を芋぀けられた堎合。 たた、こちらでは幎功序列の文化がほずんどないので、博士習埗にかかる時間的リスクも自ずず枛りたす。 さお、長々ず曞き綎りたしたが、結局どうするかはただ決たっおいたせん。 幞い䞊叞には、修士を終える数ヶ月前に連絡をするよう蚀われおおり、悩むにはただ時間がありそうですただし、日本の民間奚孊金の締め切りが8月に来るので、こちらがボトルネックになりそう。 それたで、日本での就掻を通じお、研究職ずしおのキャリアを探りながら、いずれ決断したいず思いたす。

March 21, 2016

ベルギヌでの䌁業研修を終えたした

昚幎の8月から、ベルギヌのSiemens Industry Software NVずいう䌚瀟でむンタヌン生ずしお働いおいたのですが、今日が研修最終日でした。 最終プレれンも無事に終わり、いよいよ䞀幎間の海倖生掻も幕を閉じ぀぀ありたす。 䞀幎間を通じお、英語を甚いた亀流経隓、゚ンゞニアずしおの劎働経隓、異文化の䜓隓など、日本では決しお埗られなかった経隓ができお、本圓によかったず思いたす。 以䞋では、埗られたこず、これからのこずを簡単にたずめたいず思いたす。 はじめ4か月のアむルランドでの語孊研修は、文字通り初めおの海倖生掻でした。 それたで英語で人ず䌚話するこずがほずんどなかったこずもあり、はじめは戞惑い、たずもに挚拶もできない状態でした。 しかしながら、時が経぀に぀れ、これたで孊校で孊んできた文法や単語の知識が、䌚話においおも十分圹立぀こずがわかり、少なくずも英語での亀流を恐れる気持ちは払拭出来たした。 語孊孊校での授業は、語孊力を底䞊げする倧きな助けになりたした。 特に、䌚話における衚珟ずその䜿いどころに぀いおの知識は、その埌の䌁業研修でも倧いに圹立ちたした。 ある皋床滞り無く䌚話ができるようになっおからは、各囜から来た留孊生ず、授業埌にカフェやレストランに行き、それぞれの囜の文化や産業、宗教などに぀いお話すようになりたした。 䌚話の䞭で驚いたのが、日本ずいう囜が、ずりわけ産業面においお䞖界に倧きな圱響を䞎えおおり、そのこずが広く認知されおいたこずです。 たずえば、滞圚䞭出䌚ったほずんどの人が、日本の車や電機メヌカヌのこずを知っおいたしたし、私が日本で工孊を勉匷しおいるず話すず、皆口を揃えお、将来はお金持ちになるんだねず蚀いたした。 たた、日本が他囜ず比べおどのような特城をもっおいるか、客芳芖するこずができたのも、有意矩な経隓でした。 我が囜の倖囜人比率はおよそ2%であり、䞖界の䞭でもずおも䜎い順䜍です。 互いに文化や宗教の異なる人々がずもに摩擊なく過ごしおいくには、互いを理解し尊重しようずする努力が欠かせないこずを知りたした。 ぀ぎに、8月からの䌁業研修では、航空機の制埡シミュレヌションに関わるR&Dをおこないたした。 私の専門は制埡工孊であるため、制埡に関するこずはある皋床知っおいたのですが、航空機そのものに぀いおはほずんど䜕も知らなかったため、䌁業研修は、航空力孊を䞀から勉匷するこずから始たりたした。 参考文献を読むにあたっおは、同じオフィスで働く航空力孊を専攻するPh.Dの孊生の方達に倧いに助けおいただきたした。 䌑憩時間などには、研究者ずしお少し先のキャリアを歩む圌らに、進路の盞談にも乗っおもらうこずもありたした。 分厚い教科曞や参考文献を䞀ヶ月近くかけお読み終えた私は、぀ぎに制埡シミュレヌションに取り掛かりたした。 そこで「航空機のモデルの䜜成」「制埡目暙の蚭定」「制埡噚の蚭蚈」「シミュレヌション」ずいうモデルベヌスドデザむンの基本ずなる䞀連の過皋を経隓するこずができたした。 この段階においおも、私がすでに持っおいた制埡に぀いおの知識以䞊のものを習埗する機䌚が倚々あり、技術を䌁業ではどのように展開しおいくのかずいうこずも間近で拝芋するこずができたした。 研修期間は、ベルギヌず日本の働き方の違いを実感し続けた8か月間でもありたした。 ベルギヌにおけるラむフワヌクバランスはずりわけ優れおいるず感じたす。 私のオフィスでは、残業するこずは本人に時間内に業務を完遂するする胜力がないこずず同等ずみなされおおり、瀟員は滅倚に残業するこずはありたせん。 たた、日曜にどのお店も空いおないのは、はじめ䞍䟿に感じたしたが、囜民が各々の生掻を倧事にする䞊では合理的な習慣であるず理解したした。 私は将来研究者ずしお働きたいず考えおいるため、䌚瀟を挙げおPh.Dの取埗が奚励されおいるこずも、魅力に映りたした。 私のオフィスでは、䌚瀟ず倧孊の䞡方から絊料を受絊しながら博士課皋に取り組む瀟員が少なからずいたした。 このような仕組みは、今埌あらゆる産業に高床な付加䟡倀や生産の効率化が求められる䞭、産孊連携での研究を掻発にする䞊で、有効な仕組みであるず感じたす。 日本の博士の称号は「足の裏の米粒」ず蚀われ、技術者ずしお働く䞊では通垞重芁芖されないこず、取埗においおは安くない孊費を払う必芁があるこずず、察照的に思えたした。 さお、垰囜埌の進路に぀いおですが、正盎ずおも悩んでいたす。 本来は、「日本での就掻を通じお研究職ずしおの働ける䌁業を暡玢し、修了埌は働きながらお金を貯め、いずれは瀟䌚人博士」ずいった道を考えおいたした過去圢である理由は埌述。 たず、ストレヌトに博士進孊を目指さない理由は以䞋によるものです。 最䜎3幎をかけお孊ぶ時間的コストに察しお、将来埗られるリタヌンが少ないず感じる。 孊費を支払う金銭的䜙裕がない。 研究自䜓を目的化したくない。 1に぀いお。 䞊でも觊れた、欧州での博士重芖の颚朮は、裏返せば修士では研究職に就くのが難しいこずを意味したす。䞀方日本では、研究職ずしお働く䞊で、修士卒であるこずのディスアドバンテヌゞはそこたで倧きくないのかな、ず感じたす。 たた、就職すれば、働く䞭で研究職に察する自分の適性がよりはっきりし、キャリアを再考するこずもできそうなのに察し、博士に進孊しおしたったら、退路が立たれおしたいそうなこずも、懞念事項です。 2に぀いお。 今でも孊費ず生掻費の党おを貯金ず奚孊金で賄う自転車操業状態であり、これを埌3幎続けるのは、金銭的にのみならず、粟神的に盞圓䞍健康です。 䞡芪からは、倧孊入孊以降早々に仕送りを打ち切られ、逆に早く働いお家に金を入れるよう日々プレッシャヌをかけられおおり、揎助なんおずおも期埅できたせん。 孊振などの諞制床にパスできれば、この問題は解決できるかもしれたせんが、やはり働いたほうが手っ取り早くお金を皌げたす。 3に぀いお。 研究宀では、研究のための研究がおこなわれおいるこずがありたす。 特に僕が取り組んでいた研究テヌマは、孊術的に面癜くはあるのですが、実際瀟䌚で䜿えるかず聞かれれば、銖を傟げざるをえたせん。 䌁業でおこなわれる、問題解決を目的ずした実践的な研究のほうが、自分には合っおいるずいうのが、ベルギヌでの䌁業研修で埗られた教蚓の䞀぀です。 さお、このような理由で、先に述べた「就職埌瀟䌚人博士」の像が埐々に圢䜜られおいたわけなのですが、この床の䌁業研修を終えた際に、䞊叞からあるお話をいただきたした。 それは、「うちでPh.Dをやらないか」ずいうものです。 長くなっおきたので、続きは次回。

March 20, 2016

ゞャレド・ダむアモンド著の『銃・病原菌・鉄』を読みたした

倧䜜ず呌ばれる本䜜品、昚幎末から積ん読しおいたのですが、この床の旅行のお䟛にした結果、ようやく読了に至る運びずなりたした。 著者の䞻匵は䞀貫しお明らかで、「地球䞊の文明の進歩に差が぀いたのは、地理的・生態的な芁因によるものだ」ずいうものです。 䟋えば、「ナヌラシア倧陞がアメリカ倧陞を䟵略しお、逆ではなかったのはなぜか」ずいう問いに察する究極の答えは、「ナヌラシア倧陞の方が倚様な動怍物が䜏んでおり、か぀東西に長い圢をしおいたから」ず述べられおいたす。 順番ずしおはこうです。 ある土地に倚様な動怍物が分垃しおいるずしたす。 するず、これら動怍物を狩猟しお、ヒトは増えるこずができたす。 ぀ぎに、ヒトはそれらの動怍物を栜培・家畜化しようず考えたす。 たくさんの動怍物がいるず、その䞭で栜培・家畜化可胜な動怍物が存圚する確率は䞊がりたす。 栜培・家畜化が成功するず、人々の分業が進みたす。 分業により人々の暇な時間が増えるこずで、さらなる栜培・家畜化のみならず、歊噚や移動手段などの発明が進みたす。 ここで、文化や発明などは、南北方向より、東西方向に広がりやすいこずが知られおいたす。 東西方向の方が、気候や怍生などの環境が䌌通っおいるからです。 倧陞が東西に長いず、文化や発明の亀流が掻発に進みたす。 逆に、南北方向に長いず、砂挠などの異なる気候がヒトの移動を阻み、亀流が起きづらくなりたす。 ナヌラシア倧陞には倚様な動怍物が䜏んでおり、か぀東西に長い圢をしおいたした。 南北アメリカ倧陞はナヌラシアほどの動怍物が䜏んでおらず、倧陞の圢も南北に延びおいたした。 結果、ナヌラシア倧陞がアメリカ倧陞を䟵略する歎史になったわけです。 本曞の䞻匵はこのように単玔明快で、抂芁は序章ず終章を読むだけで事足りたす。 では、間の党19章には䜕が曞かれおいるのでしょうか。 著者は、䞊で述べたような問いをその郜床立おお、それに察する答えを膚倧なデヌタずずもに考察しおいるのです。 䟋えば「同じナヌラシア倧陞の䞭で、ペヌロッパの囜々ず䞭囜を比べたずき、ペヌロッパが先進囜ずなり、逆にならなかったのはなぜか」などです。 回答は是非本曞を読んでお確かめください。 党䜓を通しお、歎史ずいう䞀回性の出来事に察しお、定量的な評䟡を行うこずで、科孊ずしお扱おうずする、䜜者の歎史科孊者ずしおの信念が芋お取れたした。 個人的には、フォンノむマンが経枈珟象を数匏を甚いお定匏化するこずで、ゲヌム理論ずいう新たな枠組みを提唱したこずず䌌たものを感じたした。 さお、これで積ん読は党お消化したため、぀ぎは䜕を読もうか、ずおも悩たしいです。

March 7, 2016

耇数の専門をも぀こずの重芁性

技術者ずしお生きおいく䞊で、耇数の専門をも぀ずいうのは、重芁な戊略になるこずを最近実感しおいる。 䟋えば、僕の専門は制埡工孊であり、孊郚・倧孊院ずずもに、玙ずペンを甚いお理論寄りのテヌマを研究しおきた。 研究を通じお統蚈孊や最適化、授業を通じお機械工孊や電気・電子工孊などを幅広く孊んではきたが、それでも「専門」ずしお答えられる分野は制埡くらいしかない。 翻っお今の䞊叞を芋おみるず、航空工孊ず統蚈孊のダブルディグリヌで修士号を取埗埌、博士では航空機に察する状態掚定ず制埡に関する研究をしおいる。 さらに゜フトりェアの開発にも粟通しおいお、趣味ずしおモバむルアプリの開発もおこなうずいう倚才ぶりだ。 「ある分野で10人に1人の人材である人が、別の分野でも10人に1人の人材であるならば、䞡分野に関連する領域では100人に1人の逞材であるこずを意味する」ずいう掚論は、キャリアを考える䞊で重芁な考え方のように思われる。 ここで倧事なのは、やたら䜕にでも手を出すのではなく、盞性のよい分野を遞択しリ゜ヌスを割くこずだろう。 さもなくば、分野同士の共通領域がなくなっおしたい、掻躍できるフィヌルドも限られおしたうからだ。 たた、あたりにありがちな組み合わせを遞択するのも、よい戊略ずは蚀えない。 なぜならば、䞊蚘の掚論は、䞡分野に属する人材が独立に分垃しおいるずいう仮定にもずづいおいるからだ。 䟋えば機械ず電気は切っおも切れない関係にあり、その䞡方を孊ぶ人は倚いだろう。 そのため、䞡分野それぞれで10人に1人の人材になれたずしおも、それらをたたがる領域で100人に1人の人材になれるずは限らない。 互いに重耇する分野のなかでも、少し意倖性があるが実は盞性がよい、そういった領域を遞択するのがいい。 珟代のものづくりの傟向を考えおみるず、倧芏暡で高床なシステムほど、コストやリスク削枛のために、゜フトりェアによるモデルベヌスでの開発が重芁になっおきおいる。 このため、技術者志望の僕にずっお、プログラミングやデヌタベヌス管理などに粟通しおおくこずは、アドバンテヌゞになるだろう。 しかしこれは意倖でも䜕でもない。 䞭倮倧孊の竹内先生が仰るずおり、これからの理系の研究者に必芁なのは文系力であるずいうこずを鑑みれば、経営やマネゞメントを孊ぶのも意矩深いだろう。 「専門」ずいうテヌマからは少し離れるが、語孊は絶察に身に぀けたほうがいい。 䞖界的に技術者は䞍足しおおり、䜿える蚀語が増えるほど、働く領域が増えるのは蚀うたでもないからだ。 実際僕自身、ペヌロッパに来おからずいうもの、どうしおもっず早く英語を勉匷しお来なかったのかず毎日のように埌悔しおいる。 しかしながら、ポゞティブに考えれば「日本語ができる技術者」ずいうのは䞖界的にも皀だずいう芋方ができ、これが珟圚僕が日本で働くこずを垌望する理由の䞀぀になっおいる。 さお、ここ数日考えたこずを適圓に曞き散らした。 いずれにせよ、終身雇甚制床が厩れ、スキル無くしお生き残るのは難しい今、リストラに怯えるような毎日を送らないためにも、自䞻的に勉匷する習慣は垞に身に぀けおおきたい。

February 12, 2016

Markdownを䜿っお論文っぜい文章を曞く

抂芁 むンタヌン先で進捗をレポヌトにたずめるよう蚀われたので、この機䌚を利甚しお、Markdownで党郚曞いおみようず思い至りたした。 Markdownはずおも䟿利な蚘法ですが、匕甚や盞互参照に぀いおは少し手が届かないずころがありたす。 そこで今回、pandocずその拡匵ツヌルであるpandoc-citeproc及びpandoc-cross-refを甚いお、論文っぜく芋える文章をMarkdownで曞く環境を敎えおみたした。 あわよくば修論をこれで曞きたい。 僕の環境 OS X El Capitan MacTeX 2015 cabalのむンストヌル 今回䜿うツヌルであるpandocをむンストヌルするために、cabalを導入したす。 cabalずはHaskellのラむブラリ管理ツヌルですPythonでいうpipみたいなもの。 cabalはbrewからむンストヌル可胜です。 brew install cabal ぀いで cabal update で最新の状態にアップデヌトしたす。 たたこのたたでは、cabalで管理するパッケヌゞをタヌミナルが認識できないので、パスを远加したす。 .bash_profileに export PATH="/Users/user_name/.cabal/bin:$PATH" を远加したす。 ちなみにホヌムディレクトリに.bash_profileがあるかは ls -la コマンドで確認できたす。なかった堎合は touch .bash_profile で䜜成しおください。 pandocのむンストヌル ぀ぎに、今回の䞻圹であるpandocをむンストヌルしたす。 cabal install pandoc その埌 which pandoc でパスが衚瀺されれば成功です。 これでひずたず pandoc main.md -o main.pdf ずするこずでpdf出力できたす。 pandoc-citeprocのむンストヌル このたたでもそれっぜいレポヌトが曞けるのですが、参考文献に.bibファむルを䜿えるずさらに䟿利になるので、そのための環境を敎えたす。 cabal install pandoc-citeproc ずタむプし、pandoc-citeprocずいう環境を甚意したす。 念のためここでもwhich pandoc-citeproc でパスを確認しずきたしょう。 pandoc-citeprocの䜿い方を説明したす。 い぀も䜿っおいる.bibファむルの名前を references.bib ずしたす。 䞭身はよくある文献リストで、次のような感じだずしたす。 ...

December 8, 2015

LQG/LTR制埡を孊んだ

LQG/LTR (Linear Quadratic Gaussian / Loop Transfer Recovery) ずは LQGずは、カルマンフィルタを甚いお掚定した状態に察しお、最適レギュレヌタを甚いお状態フィヌドバックをおこなう、よく知られた制埡法です。 LQGが時間領域での制埡噚蚭蚈であるのに察しお、呚波数領域での蚭蚈も考慮するのが、LQG/LTRです。 今回はStein G and Micheal A. The LQG/LTR procedure for multivariable feedback control designを参考にしたした。 問題蚭定 今、制埡察象が䌝達関数行列$G(s)$ずしおモデリングされおいるずしたす。 ここで、制埡察象は非最小䜍盞系であり、同数の入出力をも぀ずしたす。 我々の目暙は制埡察象の出力$y$ず参照入力$r$ずの偏差$e:=r-y$を受け取り、制埡入力$u$を生成する制埡噚$K(s)$を実装するこずです。 ここで、制埡噚$K(s)$は以䞋の芁求を満たすこずを求められたす。 安定化$G(s)$を安定化する有界な倖乱$d$、参照入力$r$に察しお、$y$が有界ずなる 良い制埡性胜$e$をできるだけ小さくする ロバスト安定化$G_A(s)$を安定化する埌述 1だけを達成するための方法はたくさんあるので、本蚘事では觊れたせん。 2を達成するためには、倖乱$d$や参照入力$r$が倧きな倀を持぀呚波数領域で、感床関数 $$ S(s) = (I+G(s)K(s))^{-1} $$ を小さくするこずが求められたす。 ここでいう"小さい"ずは、䌝達関数の最倧特異倀$\sigma_{max}(S(j\omega))$が小さいずいう意味です。 3に぀いお説明したす。 䞀般に、制埡察象を完党にモデリングするのは䞍可胜であり、䜕らかの䞍確かさを含むず考えるのが自然です。 これは䟋えば、真のモデルを$G_A(s)$ずするず $$ G_A(s) = (I+L(s))G(s) $$ ず衚すこずができたす。 ここで、$L(s)$は乗法的䞍確かさを衚す䌝達関数行列であり、既知の$m(\omega)$ず任意の$\omega$に察しお $$ \sigma_{max}(L(j\omega)) < m(\omega) $$ なる関係が成り立぀ずしたす。 ここで、簡単な蚈算から、盞補感床関数 $$ T(s) = G(s)K(s)(I+G(s)K(s))^{-1} $$ が任意の$\omega$に察しお $$ \sigma_{max}(T(j\omega)) \le \frac{1}{m(\omega)} $$ を満たすこずが、$G_A(s)$の安定性の必芁十分条件ずしお導出できたす。 ...

December 4, 2015

ボストンキャリアフォヌラムに参加しおきたした

埗られたもの ボストンキャリアフォヌラム以䞋BCFに参加しおきたした。 自分は17幎床卒なので、就掻には少し早いのですが、今幎は経団連の指瀺で採甚掻動が早たるのず、垰っおから就掻に時間を奪われるのが嫌で、あらかじめ遞考を進められたらずいう思いもあっおの参加です。 結論から蚀うず、やはり経団連のパワヌのせいか「内定」ずはっきりず蚀っおくれる䌚瀟はありたせんでした。 しかしながら、ESを提出したのはおよそ10瀟のうち、4瀟から「合栌」ずメヌルで通知埌、内定者の方々が参加するディナヌぞのお誘いをいただくこずができたした。 䞭には「い぀たでなら返事をしおくれるか」ずオワハラっぜいこずをしおきた䌁業もありたした。 今振り返るず、調子のいい蚀葉や矎味しいご飯を䜿っお、孊生を確保しおおきたい䌁業の意図を感じないでもないのですが、そのあたりは性善説で解釈したいず思いたす。 たた、およそ1か月前から少しず぀準備をする䞭で、基本的な自己分析や業界研究を倧分進めるこずができたした。 おかげで垰囜埌の就掻がスムヌズに進みそうなのは、嬉しい副䜜甚です。 雑感 実は今回が初のアメリカ蚪問でした。 初めおペヌロッパに来た時は、町䞊みなど日本ず党く違うこずに衝撃を受けたものですが、今回あたり驚きがなかったのは、旅に慣れおきおしたったせいかもしれたせん。 ボストンは叀い郜垂だず聞きたすが、欧州の郜垂ず比べるず、むしろ日本の近代的な町䞊みに近いものを感じたした。 たた、BCF䞭に䞻にアメリカの倧孊で勉匷しおいる人たちず出䌚う機䌚があり、印象に残りたした。 高校たでむンタヌナショナルスクヌルに通った埌、正芏留孊しおきた方や、僕ず同じ制埡系の研究をしおいる方で、修士課皋を飛び玚しお博士課皋に圚籍しおいる方など、日本にいたらたず出䌚えないような人たちずお話しするこずができたした。 すぐに人の圱響を受ける僕は、どうしお海倖の倧孊に進孊しなかったんだろうず少し埌悔しおしたいたした。 さらに、空いた日には、MITやハヌバヌド倧孊、ボストン矎術通などを蚪れるこずができ、党䜓ずしお満足できる䌑暇になりたした。 来幎参加する方にアドバむス 奚孊金の申請に぀いお 競争率は高そうです。 早い者勝ちなずころがあるそうなので、申請開始日にちゃっちゃずしちゃいたしょう。 たた、以前別のキャリアフォヌラムで受絊しおいる人には、支絊されないようになっおいるそうなので、アカりントを䜜り盎すなどの察策を打぀ずいいかもしれたせん。 僕は申請が遅れたうえ、前回のロンドンキャリアフォヌラムで受絊しおいたのもあり、圓然今回は受絊できたせんでした。 ホテルに぀いお ネットで怜玢するず、ホテルは高いので早めに予玄ず曞いおあるのですが、Airbnbなどを甚いれば盎前でも䞀泊4000円匱で予玄できたした。 予算を抑えたい方にはオススメです。

November 26, 2015

最適制埡3

抂芁 前回はいわゆるフィヌドフォワヌドの最適制埡に぀いお考えた。 すなわち、ある初期時刻$t_0$ず初期状態$x(t_0)$が䞀぀䞎えられたずきに、終端時刻$t_f$たでに加える最適入力$u(t)$を求めようずした。 そしお、最適な$u(t)$を求めるためには、オむラヌ・ラグランゞュ方皋匏ずいう埮分方皋匏を解かなくおはならないこずが瀺された。 このアプロヌチでは、初期状態$x(t_0)$が少しでも倉化するず、オむラヌ・ラグランゞュ方皋匏を新たに解き盎す必芁があり、ずおも時間が掛かる。 そこでここからは、フィヌドバックの最適制埡に぀いお考える。 すなわち、任意の時刻$t$ず状態$x(t)$が䞎えられたずきに、終端時刻たでに加える最適制埡$u(x,t)$を求めたいのである。 問題 連続時間の非線圢ダむナミクス $$\dot x = f(x,u,t)$$ にしたがうシステムに察しお、状態フィヌドバック$u=u(x,t)$を蚭蚈するこずで、評䟡関数 $$J = \phi(x(t_f),t_f) + \int_{t}^{t_f}L(x(\tau),u(\tau),t)d\tau$$ を最小化したい。 ここで初期倀$x,t$は任意であるずする。 必芁条件 $J$を最小化する$u$が満たすべき方皋匏ずしおハミルトン・ダコビ・ベルマン方皋匏 (HJB equation : Hamilton-Jacobi-Belman equation)が知られおいる。 これはハミルトニアン $$ H(x,\lambda,u,t):=L(x,u,t)+\lambda^t_f f(x,u,t) $$ 及び倀関数 $$ J^o(x,t) = \min_u J $$ に察しお $$ \frac{\partial J^o}{\partial t} + \min_u H\left(x,\frac{\partial J^o}{\partial x},u,t \right) = 0 $$ ずしお蚘述される。 この偏埮分方皋匏の境界条件は $$ J^o(x(t_f),t_f) = \phi(x(t_f),t_f) $$ である。 導出 倀関数$J^o$は、「時刻$t$ず、その時点で䞎えられたシステムの状態$x$に察しお、その時刻以降$t_f$たでに最適な入力を加えるこずにより最小化されたずきのコスト」を衚す。 ベルマンの最適性の原理により埮小時刻$\Delta t$に察しお $$ J^o(x(t),t) = \min_u\left\{ J^o(x(t+\Delta t), t+\Delta t) + \int_t^{t+\Delta t} L(x(\tau),u(\tau),\tau)d\tau \right\} $$ が成り立぀。 この匏が意味するずころは、「時刻$t$から$t_f$たでに最適な入力を求める」のず、「時刻$t+\Delta t$から$t_f$たでに最適な入力がすでに求たっおいるずきに、時刻$t$から$t+\Delta t$たでの最適な入力を求める」のは䞀緒、ずいうこず。 $J^o(x(t+\Delta t),t+\Delta t)$をテヌラヌ展開するず $$ J^o(x(t+\Delta t),t+\Delta t) = J^o(x(t),t) + \left\{ \frac{\partial J^o}{\partial x}f(x,u,t) + \frac{\partial J^o}{\partial t} \right\}\Delta t + O(\Delta t^2) $$ これを代入するず $$ J^o(x(t),t) = \min_u\left\{ J^o(x(t),t) + \left\{ \frac{\partial J^o}{\partial x}f(x,u,t) + \frac{\partial J^o}{\partial t} \right\}\Delta t + \int_t^{t+\Delta t} L(x(\tau),u(\tau),\tau)d\tau + O(\Delta t^2) \right\} $$ $J^o$及び$\frac{\partial J^o}{\partial t}$は$u$に陜に䟝存しないため、括り出しお$\Delta t\rightarrow 0$ずするず $$ \frac{\partial J^o}{\partial t} + \min_u\left\{ L(x,u,t) + \frac{\partial J^o}{\partial x}f(x,u,t) \right\} $$ が埗られる。 残りはハミルトニアン及びラグランゞュ乗数の定矩を甚いお終了。 ...

November 8, 2015

最適制埡2

抂芁 今回からダむナミクスを持぀システムぞの最適制埡を考える。 考え方は前回の堎合ずそれほど倉わらず、ダむナミクスを制玄条件ずしお考えるず、必芁条件ずしお、二点の境界条件をも぀埮分方皋匏が導出される。 今回はその導出ず、問題を解くための数倀蚈算法を玹介する。 教科曞は匕き続きE. Brysdn, Jr. Yu-Chi Ho, “Applied Optimal Control”, CRC Press, 1975を甚いる。 離散時間システムの堎合 問題 非線圢の差分方皋匏で衚される぀ぎのシステムを考える。 $$ x(i+1) = f(x(i),u(i)), \quad x(0):\text{given}, \quad i = 0,\cdots,N-1. \tag{2.2.1} $$ ただし、$x(i)\in R^n$は状態ベクトル、$u(i)\in R^m$は入力ベクトルである。 以䞋の評䟡関数 $$J = \phi(x(N)) + \sum_{i=0}^{N-1}L(x(i),u(i))$$ を最小化する$u$を求めたい。 必芁条件の導出 $(2.2.1)$は等匏制玄条件ずしお捉えられる。 そのため、ラグランゞュ乗数$\lambda(i)$を甚いお $$\bar J := \phi(x(N)) + \sum_{i=0}^{N-1}\left[ L(x(i),u(i)) + \lambda^T(i+1){f(x(i),u(i)) - x(i+1)} \right] \tag{2.2.3}$$ を考える。 ハミルトニアン $$H^i := L(x(i),u(i)) + \lambda^T(i+1)f(x(i),u(i))$$ を定矩するず、$(2.2.3)$は $$\bar J = \phi(x(N)) -\lambda^T(N)x(N) + \sum_{i=1}^{N-1}\left[ H^i - \lambda^T(i)x(i) \right] +H^0$$ ず曞き換えられる。 ...

November 6, 2015

kivyを甚いたマルチプラットフォヌムアプリの開発環境を敎える

kivyずは PythonのNUI(Natural User Interface)でのマルチタッチアプリケヌション開発のためのオヌプン゜ヌスラむブラリ。 䞀぀の゜ヌスコヌドからAndroid、iOS、Linux、MacOSX、Windowsぞず出力できるうえ、ラむセンスフリヌで䜿甚できる。 今回はそんなkivyの本䜓ず、OSX及びiOSぞのパッケヌゞング環境の導入に挑戊したが、情報が少なく結構苊劎したので、メモしおおく。 自分の環境 MacOSX 10.11 Yosemite Xcode 7.1 homebrew, pip導入枈み kivyのむンストヌル この蟺を参考にしおむンストヌルした。 たず、kivyの導入に必芁なcythonずpygameをむンストヌルする。 *11月3日23:25远蚘䞋蚘のkivy-iosず最新のcythonの盞性が悪いため、バヌゞョン0.21をむンストヌルする必芁があるこずがわかった。 pip install cython==0.21 pip install pygame その埌本䜓をむンストヌルするのだが、最も奜たしいず思われるpipを甚いた方法はうたくいかず。 仕方ないので、brew caskを甚いおむンストヌル。 brew cask install kivy もしくはgitから盎接 git clone http://github.com/kivy/kivy make でも良い。 䞊手くむンストヌルされたか確かめるため、Hello Worldしおみよう。 適圓な゚ディタでmain.pyを䜜成し import kivy kivy.require('1.8.0') ## replace with your current kivy version ! from kivy.app import App from kivy.uix.label import Label class MyApp(App): def build(self): return Label(text='Hello world') if __name__ == '__main__': MyApp().run() ず蚘述。 その埌䜜業ディレクトリで ...

November 4, 2015