モヌパッサン『女の䞀生』を読みたした

二人の人間が、本圓に魂の底たで、思いの奥底たでひず぀になるこずはできないのだず、ゞャンヌは初めお思った。肩を䞊べお歩き、ずきに抱き合うこずはあっおも、ひず぀に溶け合うこずはなく、心の底では誰もが生涯䞀人がっちなのだず。 モヌパッサン『女の䞀生』光文瀟叀兞新蚳文庫 光文瀟叀兞新蚳文庫のシリヌズが軒䞊みKindle Unlimitedの察象になっおいたので、読曞欲が際限なく刺激される今日この頃。 最近は新曞を読むこずが倚かったので、久しぶりに読む小説は新鮮に感じられたした。 以䞋あらすじ 䞻人公のゞャンヌは、貎族の䞀人嚘ずしお生たれ、幌い頃から修道院で䜕の汚れも知らぬたた倧人になる。 ある日出䌚った矎男の子爵ゞュリアンからの求婚を受けるゞャンヌ。 幞犏の絶頂にいる圌女だが、その埌の人生は芁玄するず転萜の䞀蚀。 ある日、以前から様子がおかしい召䜿のロザリが突然倒れ、子䟛を出産する。 誰の子か問いただしおも、口を閉ざすロザリ。 神父の前で懺悔させるず、ようやく重い口を開き、父芪がゞュリアンであるこずを告げる。 ゞャンヌの父芪はこれに激怒するが、神父に誰にでもある間違いにすぎないず説埗され、若いころの自分にも心圓たりのあった父芪はこれを蚱す。 ゞャンヌにはその頃既に劊嚠しおいた。 倫ぞの愛は完党に消え倱せた圌女だが、生たれる子䟛には出来る限りの愛情を尜くすこずを誓う。 ゞャンヌは父芪ずずもに生たれおきた息子ポヌルを溺愛する。 ゞュリアンはその頃、近所に䜏む貎族のゞルベルト倫人ず䞍倫を始めるが、既に倫に倱望しおいるゞャンヌは、苊悩の末芋おみぬ振りをするこずを遞ぶ。 しかしながら倫人の倫に事がバレた二人は、密䌚䞭に倫に殺される。 䞀時期は愛した倫を倱ったゞャンヌは、母芪にも先立たれたたゞャンヌの父芪ずずもに、たすたす過剰なたでの愛をポヌルに泚ぐ。 結果萜ちこがれずしお育ったポヌルは、孊校に入孊埌も萜第し぀づけ、女ず駆け萜ちしおロンドンに行方を眩たす。 圌は事業を起こしお倱敗し、倚額の借金を背負い、手玙でゞャンヌに無心する。 ゞャンヌは財産を党お倱い、家を手攟すこずになり、ゞャンヌの父もその心劎から脳溢血で亡くなる。 ポヌルは恋人に子䟛を産たせるが、産耥で亡くなる。 そのこずを知ったゞャンヌは、召䜿に匕き取らせた孫嚘を胞に抱き、終劇。 以䞊あらすじ あらすじを曞くだけで、鬱々ずしおきたす。 あたりにも善良で無知、人々の悪意を知らずに育ったゞャンヌは、数々の詊緎を自ら切り拓くこずなく、ただ呚囲の流れに身を任せたす。 結果悲劇的ずも蚀える人生が埅ち構えおいるわけなのですが、果たしおそれは圌女の怠惰に起因するものなのでしょうか。 筆者はそのよう因果関係を匂わせる文章を䞀切蚘述せず、起こった事実をありのたた粟密に描写したす。 ぀たり物語に教蚓はなく、解釈は読者の方に委ねられおいるず捉えるべきでしょう。 冷培なたでの写実的描写は、読んでいお映画を芳おいる錯芚を匕き起こしたした。 ぐんぐん進む銬車に乗っおいるこず、窓の倖の物悲しい颚景を眺めるこず、そしお降りしきる雚にもかかわらず、自分は濡れない堎所にいるこず。ゞャンヌはそれだけで嬉しかった。 モヌパッサン『女の䞀生』光文瀟叀兞新蚳文庫 原題は“Une vie”。 どこにも「女の」ずは曞いおおらず、「ある人生」ず蚳すのが適圓そうです。 筆者がやりたかったこずは、人生ずはこういうものだずいうこずを普遍的に描くこずだったのかもしれたせん。

August 26, 2016

カメラを新調したした

昚幎床留孊しおいた時にカメラを盗たれお以来ずっず再賌入しようず思っおいたのですが就掻や研究などで忙しく買う機䌚を逃し続けおいたした 先日友人ず祇園祭を芋お回った時にファむンダヌを芗く友人の姿が矚たしく思ったこずが再賌入を決断したきっかけです 賌入に際しおは第䞀に倀段第二に軜さを重芖するこずにしたした 倀段に぀いおは孊生ゆえに金銭的䜙裕がなくどうせお金をかけるならレンズに投資したいからであり 軜さに぀いおは蚀わずもがな少しでもコンパクトなほうが持ち出す機䌚も自ずず増えるからです 手元にはただDA 35mmF2.8 Macro Limitedが残っおいたので匕き続きK-マりントのボディだけ買うか他のマりントに手をだすか迷ったのですが数幎間䜿い続けた愛着もあるこずから前者を遞ぶこずにしたした 暗所でのAFの遅さずか動䜓ぞのAFの遅さずかあずラむブビュヌ時のAFの遅さずか他瀟ず比べお䜕かず残念なPentaxの補品ですが䞍噚甚なずころがなんだか憎めないんですよね 前述の基準に照らしあわせ比范怜蚎したずころK-S1が自分にはあっおそうだったので早速マップカメラで賌入 色は盗たれたK-30ず同じ癜にしたした このカメラ発売圓初は謎のLEDラむト機胜が䞍評であんたり売れなかったようなのですが䜿っおいる時は党然気になりたせんし蚭定で垞時OFFにするこずもできたす ダむダルの数は1぀ですがK-30のころもそんなに頻繁に2ダむダルを同時に操䜜するこずがなかったのでこれも問題ありたせんでした 重量も玄500gず同瀟補品の䞭では最軜量で鞄に忍ばせるのに躊躇を感じさせたせんただし軜いずいえど某C瀟やN瀟は400g台の補品をいく぀も揃えおおりP瀟にももう少し頑匵っおほしいず感じおしたいたす  あず地味にGUI呚りのフォントやアニメヌションが改善されおいるずころが新鮮で奜印象でした 先週末は早速DA 35mmF2.8 Macro Limitedを぀けお京郜の街にスナップ撮圱に出掛けたした 以前䟿利ズヌムを持っおいた頃は単焊点レンズの出番は少なかったのですが盗たれたこずで䜿わざるを埗ない状況になり自分で足を動かしお撮る楜しさを再認識したした 手持ちのレンズを単焊点のみで構成するのも楜しそうです たたいい写真が取れたらこのブログにもupしたいず思いたす RICOH デゞタル䞀県レフ PENTAX K-S1 ボディ ブラック K-S1 BODY KIT BLACK 06415posted with amazlet at 16.08.08リコヌ (2014-09-26) 売り䞊げランキング: 107,399 Amazon.co.jpで詳现を芋る

August 8, 2016

就掻が終わりたした

先日、日本での就職掻動を終えたした。 今幎は䟋幎ず異なるスケゞュヌルで、僕の垰囜が遅れたこずもあり、うたくいくか䞍安もあったのですが、売り手垂堎の埌抌しもあっおか、最終的に幟぀かの䌁業から内定を頂くこずができたした。 その䞭で䞀瀟を遞択する際、勀務地や埅遇などで䞀時期迷ったのですが、結局最埌は「研究職ずしおのキャリアが積めそうか」に的を絞るこずで、玍埗のいく遞択ができたず思いたす。 進路先は、メヌカヌから独立した研究機関なので、ずにかく䜕かしらの研究掻動ができるであろうこずや、䌁業の研究郚門ずは違い、目先の営利から少し離れた萌芜的な研究もできそうなこずなどが魅力でした。 こちらの蚘事に曞いた通り、ベルギヌの䌁業からも魅力的なオファヌを頂いおいるので、もしかするず春たでに心倉わりする可胜性もれロではありたせん。 しかしながら、垰囜埌2か月経っお思うこずは、自分が日本を以前にも増しお奜きだずいうこずです。 確かに日本の劎働環境は、お䞖蟞にも優れおいるずは蚀えないでしょう。 ただそれを補っお䜙りある、日本語ず、日本人ず、日本の文化ぞの愛着を感じる自分がいたす。 極論、自分がどこで死にたいかを考えたずき、日本がいいず思えるのです。 終身雇甚制が厩れた珟代においおも、ファヌストキャリアの遞択は重芁だず思われたす。 有難いこずに、ベルギヌの䌁業からは返事たでにただ時間を頂いおいるので、それたで進路のこずは頭の片隅で意識しながら、卒業研究に力を入れたいず思いたす。

June 19, 2016

WindowsにHaskellをむンストヌル時にcabalが動䜜しない時の察凊法

新しいWindowsマシンにHaskell環境を敎えおいたずき、 cabal update 時に、 cabal.exe: Codec.Compression.Zlib: premature end of compressed stream ず衚瀺され、アップデヌトが進たない珟象に遭遇したした。 しばらく四苊八苊しおいたのですが、ググったらこちらのペヌゞに遭遇。 どうやらパスの通ったディレクトリにcabal.exeをおけばよいらしく、 C:\Program Files\Haskell Platform\7.10.3\lib\extralibs\bin にあったcabal.exeを C:\Program Files\Haskell Platform\7.10.3\bin にコピヌしたらあっさり解決したした。

May 24, 2016

垰囜報告

先日無事日本に垰囜したした。 垰囜の前日にベルギヌの空枯でテロがあり、垰囜䟿がキャンセルになっおしたいたしたが、䞍幞䞭の幞いずいうべきか、パリからの䟿に空きがあったため、フラむトを倉曎しおもらい、無事に垰囜するこずができたした。 䞀昚日に埩孊の手続きを終え、さっそく残る䞀幎の修士課皋に取り組み始めおいたす。 研究掻動に加え、就職掻動も䞊行しおおこなっおいるため、しばらくはたた忙しくなりそうです。 元同期が぀ぎ぀ぎず瀟䌚に矜ばたいおいく䞭、アラサヌずなった自分が未だ倧孊に残っおいる事実に少し焊りを感じなくもありたせんが、あたり深刻に捉えず、今幎も自分らしい道を歩んでいきたいず思いたす。

April 7, 2016

続ベルギヌでの䌁業研修を終えたした

前回の蚘事では、ベルギヌでの䌁業研修を終えたこず、今埌は日本䌁業に就職しおいずれは瀟䌚人博士を目指したいこずをお話ししたした。 しかしながら、䌁業研修を終える間際、䞊叞に以䞋のこずを蚀われたのです。 「もし君が望むなら、卒業埌うちに来おPhDやらないか」 青倩の霹靂ずはこのこずです。 前回お話しした通り、僕の郚眲では、倧孊ず䌚瀟の䞡方に籍をおき、それぞれから奚孊金ず絊料をもらいながら、PhDの取埗を目指しおいる方が䜕人もおられたす。 提携先の倧孊は、地元のKU Leuvenであったり、むギリスのBristol Universityであったりず様々です。 うちの郚眲の䞊叞は、そうした産孊連携研究のパヌトナヌを芋぀けるのが埗意だそうで、僕が望めばどこかしらの倧孊の研究宀に圚籍させおもらい、さらに生掻に必芁な奚孊金も敎えおくれるずおっしゃっおくれたした。 この提案は、僕にずっおこれ以䞊ないくらい魅力的なものです。 なぜならば、前回曞いた、博士課皋ぞ進孊するこずのデメリット 最䜎3幎をかけお孊ぶ時間的リスクに察しお、将来埗られるリタヌンが少ない。 孊費を支払う金銭的䜙裕がない。 研究自䜓を目的化したくない。 のうち、少なくずも2ず3が解決しそうに思われるからです。 2は、䌚瀟からの絊料ず倧孊の奚孊金によっお解決しそうです。 それだけなく、日本には民間機関で海倖博士に挑戊する人に奚孊金を支絊する団䜓が幟぀かあり、それらを組み合わせれば、自掻どころか、䞡芪ぞの資金揎助も可胜かもしれたせん。 さらに、こちらのサむトに蚘茉されおいる通り、ペヌロッパの倧孊の授業料は日本ず比べお安倀な傟向にあるようです。 3は、単玔にこの8か月の研修内容を考えるず、倧孊での研究より応甚的な研究ができそうだずいう予感に起因したす。 「航空機を制埡する」ずいう明確な問題ありきの研究においおは、方針も自ずず明確になり、研究のための研究ずいう事態は避けられそうです。 ずなるず、残るは1です。 ここでは「リスク」ず「リタヌン」をどう捉えるかが問題であり、その点でずおも悩んでいたす。 たず、リタヌンですが 将来博士の孊䜍を持぀こずは研究者ずしお自分のキャリアアップになる 海倖での正芏の劎働経隓は、グロヌバルな人材ずしおのキャリアに぀ながる 単玔に日本での博士取埗に比べ金銭的費甚が少なくお枈む などがあるず思いたす。 次に、リスクに぀いおですが ペヌロッパでの博士取埗は4幎。自分の堎合30歳で博士を取埗するこずになる 30歳になっお日本に垰囜しお、幎功序列の瀟䌚が自分のキャリアを評䟡しおくれるか䞍明 4幎を海倖で過ごすこずで感じる孀独感、挠然ずした䞍安 婚期を逃しそう などでしょうか。 特に4぀めは瑣末に思われるかもしれたせんが、僕には重芁です。 なぜならば海倖生掻で埗た䞀぀の垰結ずしお、自分は日本人ず結婚したいずいうものがあるからです。 ここベルギヌに䜏む日本人女性の数は倚くなく、その䞭から結婚盞手を探すこずは難しそうです。 ずなるず30歳になっお垰囜し婚掻するしかないのでしょうが、おっさんになった自分ず盞思盞愛の関係になる女性に出䌚える保蚌はどこにもありたせん。 たたこれは3぀めにも繋がるのですが、倧切な人に支えおもらわないず、海倖生掻を乗り切れる自信がありたせん甘いこずを蚀っおいる自芚はありたす。 2぀めに぀いおですが、そもそも日本に垰囜するのか、ずいう問題がありたす。 䞀般に、日本の劎働環境はお䞖蟞にも良いずはいえず、文化の壁を克服し、珟地に順応さえできれば、将来的にも欧州で生掻しおいくこずも、䞀぀のプランずしお考えられそうですこれも結婚盞手を芋぀けられた堎合。 たた、こちらでは幎功序列の文化がほずんどないので、博士習埗にかかる時間的リスクも自ずず枛りたす。 さお、長々ず曞き綎りたしたが、結局どうするかはただ決たっおいたせん。 幞い䞊叞には、修士を終える数ヶ月前に連絡をするよう蚀われおおり、悩むにはただ時間がありそうですただし、日本の民間奚孊金の締め切りが8月に来るので、こちらがボトルネックになりそう。 それたで、日本での就掻を通じお、研究職ずしおのキャリアを探りながら、いずれ決断したいず思いたす。

March 21, 2016

ベルギヌでの䌁業研修を終えたした

昚幎の8月から、ベルギヌのSiemens Industry Software NVずいう䌚瀟でむンタヌン生ずしお働いおいたのですが、今日が研修最終日でした。 最終プレれンも無事に終わり、いよいよ䞀幎間の海倖生掻も幕を閉じ぀぀ありたす。 䞀幎間を通じお、英語を甚いた亀流経隓、゚ンゞニアずしおの劎働経隓、異文化の䜓隓など、日本では決しお埗られなかった経隓ができお、本圓によかったず思いたす。 以䞋では、埗られたこず、これからのこずを簡単にたずめたいず思いたす。 はじめ4か月のアむルランドでの語孊研修は、文字通り初めおの海倖生掻でした。 それたで英語で人ず䌚話するこずがほずんどなかったこずもあり、はじめは戞惑い、たずもに挚拶もできない状態でした。 しかしながら、時が経぀に぀れ、これたで孊校で孊んできた文法や単語の知識が、䌚話においおも十分圹立぀こずがわかり、少なくずも英語での亀流を恐れる気持ちは払拭出来たした。 語孊孊校での授業は、語孊力を底䞊げする倧きな助けになりたした。 特に、䌚話における衚珟ずその䜿いどころに぀いおの知識は、その埌の䌁業研修でも倧いに圹立ちたした。 ある皋床滞り無く䌚話ができるようになっおからは、各囜から来た留孊生ず、授業埌にカフェやレストランに行き、それぞれの囜の文化や産業、宗教などに぀いお話すようになりたした。 䌚話の䞭で驚いたのが、日本ずいう囜が、ずりわけ産業面においお䞖界に倧きな圱響を䞎えおおり、そのこずが広く認知されおいたこずです。 たずえば、滞圚䞭出䌚ったほずんどの人が、日本の車や電機メヌカヌのこずを知っおいたしたし、私が日本で工孊を勉匷しおいるず話すず、皆口を揃えお、将来はお金持ちになるんだねず蚀いたした。 たた、日本が他囜ず比べおどのような特城をもっおいるか、客芳芖するこずができたのも、有意矩な経隓でした。 我が囜の倖囜人比率はおよそ2%であり、䞖界の䞭でもずおも䜎い順䜍です。 互いに文化や宗教の異なる人々がずもに摩擊なく過ごしおいくには、互いを理解し尊重しようずする努力が欠かせないこずを知りたした。 ぀ぎに、8月からの䌁業研修では、航空機の制埡シミュレヌションに関わるR&Dをおこないたした。 私の専門は制埡工孊であるため、制埡に関するこずはある皋床知っおいたのですが、航空機そのものに぀いおはほずんど䜕も知らなかったため、䌁業研修は、航空力孊を䞀から勉匷するこずから始たりたした。 参考文献を読むにあたっおは、同じオフィスで働く航空力孊を専攻するPh.Dの孊生の方達に倧いに助けおいただきたした。 䌑憩時間などには、研究者ずしお少し先のキャリアを歩む圌らに、進路の盞談にも乗っおもらうこずもありたした。 分厚い教科曞や参考文献を䞀ヶ月近くかけお読み終えた私は、぀ぎに制埡シミュレヌションに取り掛かりたした。 そこで「航空機のモデルの䜜成」「制埡目暙の蚭定」「制埡噚の蚭蚈」「シミュレヌション」ずいうモデルベヌスドデザむンの基本ずなる䞀連の過皋を経隓するこずができたした。 この段階においおも、私がすでに持っおいた制埡に぀いおの知識以䞊のものを習埗する機䌚が倚々あり、技術を䌁業ではどのように展開しおいくのかずいうこずも間近で拝芋するこずができたした。 研修期間は、ベルギヌず日本の働き方の違いを実感し続けた8か月間でもありたした。 ベルギヌにおけるラむフワヌクバランスはずりわけ優れおいるず感じたす。 私のオフィスでは、残業するこずは本人に時間内に業務を完遂するする胜力がないこずず同等ずみなされおおり、瀟員は滅倚に残業するこずはありたせん。 たた、日曜にどのお店も空いおないのは、はじめ䞍䟿に感じたしたが、囜民が各々の生掻を倧事にする䞊では合理的な習慣であるず理解したした。 私は将来研究者ずしお働きたいず考えおいるため、䌚瀟を挙げおPh.Dの取埗が奚励されおいるこずも、魅力に映りたした。 私のオフィスでは、䌚瀟ず倧孊の䞡方から絊料を受絊しながら博士課皋に取り組む瀟員が少なからずいたした。 このような仕組みは、今埌あらゆる産業に高床な付加䟡倀や生産の効率化が求められる䞭、産孊連携での研究を掻発にする䞊で、有効な仕組みであるず感じたす。 日本の博士の称号は「足の裏の米粒」ず蚀われ、技術者ずしお働く䞊では通垞重芁芖されないこず、取埗においおは安くない孊費を払う必芁があるこずず、察照的に思えたした。 さお、垰囜埌の進路に぀いおですが、正盎ずおも悩んでいたす。 本来は、「日本での就掻を通じお研究職ずしおの働ける䌁業を暡玢し、修了埌は働きながらお金を貯め、いずれは瀟䌚人博士」ずいった道を考えおいたした過去圢である理由は埌述。 たず、ストレヌトに博士進孊を目指さない理由は以䞋によるものです。 最䜎3幎をかけお孊ぶ時間的コストに察しお、将来埗られるリタヌンが少ないず感じる。 孊費を支払う金銭的䜙裕がない。 研究自䜓を目的化したくない。 1に぀いお。 䞊でも觊れた、欧州での博士重芖の颚朮は、裏返せば修士では研究職に就くのが難しいこずを意味したす。䞀方日本では、研究職ずしお働く䞊で、修士卒であるこずのディスアドバンテヌゞはそこたで倧きくないのかな、ず感じたす。 たた、就職すれば、働く䞭で研究職に察する自分の適性がよりはっきりし、キャリアを再考するこずもできそうなのに察し、博士に進孊しおしたったら、退路が立たれおしたいそうなこずも、懞念事項です。 2に぀いお。 今でも孊費ず生掻費の党おを貯金ず奚孊金で賄う自転車操業状態であり、これを埌3幎続けるのは、金銭的にのみならず、粟神的に盞圓䞍健康です。 䞡芪からは、倧孊入孊以降早々に仕送りを打ち切られ、逆に早く働いお家に金を入れるよう日々プレッシャヌをかけられおおり、揎助なんおずおも期埅できたせん。 孊振などの諞制床にパスできれば、この問題は解決できるかもしれたせんが、やはり働いたほうが手っ取り早くお金を皌げたす。 3に぀いお。 研究宀では、研究のための研究がおこなわれおいるこずがありたす。 特に僕が取り組んでいた研究テヌマは、孊術的に面癜くはあるのですが、実際瀟䌚で䜿えるかず聞かれれば、銖を傟げざるをえたせん。 䌁業でおこなわれる、問題解決を目的ずした実践的な研究のほうが、自分には合っおいるずいうのが、ベルギヌでの䌁業研修で埗られた教蚓の䞀぀です。 さお、このような理由で、先に述べた「就職埌瀟䌚人博士」の像が埐々に圢䜜られおいたわけなのですが、この床の䌁業研修を終えた際に、䞊叞からあるお話をいただきたした。 それは、「うちでPh.Dをやらないか」ずいうものです。 長くなっおきたので、続きは次回。

March 20, 2016

ゞャレド・ダむアモンド著の『銃・病原菌・鉄』を読みたした

倧䜜ず呌ばれる本䜜品、昚幎末から積ん読しおいたのですが、この床の旅行のお䟛にした結果、ようやく読了に至る運びずなりたした。 著者の䞻匵は䞀貫しお明らかで、「地球䞊の文明の進歩に差が぀いたのは、地理的・生態的な芁因によるものだ」ずいうものです。 䟋えば、「ナヌラシア倧陞がアメリカ倧陞を䟵略しお、逆ではなかったのはなぜか」ずいう問いに察する究極の答えは、「ナヌラシア倧陞の方が倚様な動怍物が䜏んでおり、か぀東西に長い圢をしおいたから」ず述べられおいたす。 順番ずしおはこうです。 ある土地に倚様な動怍物が分垃しおいるずしたす。 するず、これら動怍物を狩猟しお、ヒトは増えるこずができたす。 ぀ぎに、ヒトはそれらの動怍物を栜培・家畜化しようず考えたす。 たくさんの動怍物がいるず、その䞭で栜培・家畜化可胜な動怍物が存圚する確率は䞊がりたす。 栜培・家畜化が成功するず、人々の分業が進みたす。 分業により人々の暇な時間が増えるこずで、さらなる栜培・家畜化のみならず、歊噚や移動手段などの発明が進みたす。 ここで、文化や発明などは、南北方向より、東西方向に広がりやすいこずが知られおいたす。 東西方向の方が、気候や怍生などの環境が䌌通っおいるからです。 倧陞が東西に長いず、文化や発明の亀流が掻発に進みたす。 逆に、南北方向に長いず、砂挠などの異なる気候がヒトの移動を阻み、亀流が起きづらくなりたす。 ナヌラシア倧陞には倚様な動怍物が䜏んでおり、か぀東西に長い圢をしおいたした。 南北アメリカ倧陞はナヌラシアほどの動怍物が䜏んでおらず、倧陞の圢も南北に延びおいたした。 結果、ナヌラシア倧陞がアメリカ倧陞を䟵略する歎史になったわけです。 本曞の䞻匵はこのように単玔明快で、抂芁は序章ず終章を読むだけで事足りたす。 では、間の党19章には䜕が曞かれおいるのでしょうか。 著者は、䞊で述べたような問いをその郜床立おお、それに察する答えを膚倧なデヌタずずもに考察しおいるのです。 䟋えば「同じナヌラシア倧陞の䞭で、ペヌロッパの囜々ず䞭囜を比べたずき、ペヌロッパが先進囜ずなり、逆にならなかったのはなぜか」などです。 回答は是非本曞を読んでお確かめください。 党䜓を通しお、歎史ずいう䞀回性の出来事に察しお、定量的な評䟡を行うこずで、科孊ずしお扱おうずする、䜜者の歎史科孊者ずしおの信念が芋お取れたした。 個人的には、フォンノむマンが経枈珟象を数匏を甚いお定匏化するこずで、ゲヌム理論ずいう新たな枠組みを提唱したこずず䌌たものを感じたした。 さお、これで積ん読は党お消化したため、぀ぎは䜕を読もうか、ずおも悩たしいです。

March 7, 2016

耇数の専門をも぀こずの重芁性

技術者ずしお生きおいく䞊で、耇数の専門をも぀ずいうのは、重芁な戊略になるこずを最近実感しおいる。 䟋えば、僕の専門は制埡工孊であり、孊郚・倧孊院ずずもに、玙ずペンを甚いお理論寄りのテヌマを研究しおきた。 研究を通じお統蚈孊や最適化、授業を通じお機械工孊や電気・電子工孊などを幅広く孊んではきたが、それでも「専門」ずしお答えられる分野は制埡くらいしかない。 翻っお今の䞊叞を芋おみるず、航空工孊ず統蚈孊のダブルディグリヌで修士号を取埗埌、博士では航空機に察する状態掚定ず制埡に関する研究をしおいる。 さらに゜フトりェアの開発にも粟通しおいお、趣味ずしおモバむルアプリの開発もおこなうずいう倚才ぶりだ。 「ある分野で10人に1人の人材である人が、別の分野でも10人に1人の人材であるならば、䞡分野に関連する領域では100人に1人の逞材であるこずを意味する」ずいう掚論は、キャリアを考える䞊で重芁な考え方のように思われる。 ここで倧事なのは、やたら䜕にでも手を出すのではなく、盞性のよい分野を遞択しリ゜ヌスを割くこずだろう。 さもなくば、分野同士の共通領域がなくなっおしたい、掻躍できるフィヌルドも限られおしたうからだ。 たた、あたりにありがちな組み合わせを遞択するのも、よい戊略ずは蚀えない。 なぜならば、䞊蚘の掚論は、䞡分野に属する人材が独立に分垃しおいるずいう仮定にもずづいおいるからだ。 䟋えば機械ず電気は切っおも切れない関係にあり、その䞡方を孊ぶ人は倚いだろう。 そのため、䞡分野それぞれで10人に1人の人材になれたずしおも、それらをたたがる領域で100人に1人の人材になれるずは限らない。 互いに重耇する分野のなかでも、少し意倖性があるが実は盞性がよい、そういった領域を遞択するのがいい。 珟代のものづくりの傟向を考えおみるず、倧芏暡で高床なシステムほど、コストやリスク削枛のために、゜フトりェアによるモデルベヌスでの開発が重芁になっおきおいる。 このため、技術者志望の僕にずっお、プログラミングやデヌタベヌス管理などに粟通しおおくこずは、アドバンテヌゞになるだろう。 しかしこれは意倖でも䜕でもない。 䞭倮倧孊の竹内先生が仰るずおり、これからの理系の研究者に必芁なのは文系力であるずいうこずを鑑みれば、経営やマネゞメントを孊ぶのも意矩深いだろう。 「専門」ずいうテヌマからは少し離れるが、語孊は絶察に身に぀けたほうがいい。 䞖界的に技術者は䞍足しおおり、䜿える蚀語が増えるほど、働く領域が増えるのは蚀うたでもないからだ。 実際僕自身、ペヌロッパに来おからずいうもの、どうしおもっず早く英語を勉匷しお来なかったのかず毎日のように埌悔しおいる。 しかしながら、ポゞティブに考えれば「日本語ができる技術者」ずいうのは䞖界的にも皀だずいう芋方ができ、これが珟圚僕が日本で働くこずを垌望する理由の䞀぀になっおいる。 さお、ここ数日考えたこずを適圓に曞き散らした。 いずれにせよ、終身雇甚制床が厩れ、スキル無くしお生き残るのは難しい今、リストラに怯えるような毎日を送らないためにも、自䞻的に勉匷する習慣は垞に身に぀けおおきたい。

February 12, 2016

Markdownを䜿っお論文っぜい文章を曞く

抂芁 むンタヌン先で進捗をレポヌトにたずめるよう蚀われたので、この機䌚を利甚しお、Markdownで党郚曞いおみようず思い至りたした。 Markdownはずおも䟿利な蚘法ですが、匕甚や盞互参照に぀いおは少し手が届かないずころがありたす。 そこで今回、pandocずその拡匵ツヌルであるpandoc-citeproc及びpandoc-cross-refを甚いお、論文っぜく芋える文章をMarkdownで曞く環境を敎えおみたした。 あわよくば修論をこれで曞きたい。 僕の環境 OS X El Capitan MacTeX 2015 cabalのむンストヌル 今回䜿うツヌルであるpandocをむンストヌルするために、cabalを導入したす。 cabalずはHaskellのラむブラリ管理ツヌルですPythonでいうpipみたいなもの。 cabalはbrewからむンストヌル可胜です。 brew install cabal ぀いで cabal update で最新の状態にアップデヌトしたす。 たたこのたたでは、cabalで管理するパッケヌゞをタヌミナルが認識できないので、パスを远加したす。 .bash_profileに export PATH="/Users/user_name/.cabal/bin:$PATH" を远加したす。 ちなみにホヌムディレクトリに.bash_profileがあるかは ls -la コマンドで確認できたす。なかった堎合は touch .bash_profile で䜜成しおください。 pandocのむンストヌル ぀ぎに、今回の䞻圹であるpandocをむンストヌルしたす。 cabal install pandoc その埌 which pandoc でパスが衚瀺されれば成功です。 これでひずたず pandoc main.md -o main.pdf ずするこずでpdf出力できたす。 pandoc-citeprocのむンストヌル このたたでもそれっぜいレポヌトが曞けるのですが、参考文献に.bibファむルを䜿えるずさらに䟿利になるので、そのための環境を敎えたす。 cabal install pandoc-citeproc ずタむプし、pandoc-citeprocずいう環境を甚意したす。 念のためここでもwhich pandoc-citeproc でパスを確認しずきたしょう。 pandoc-citeprocの䜿い方を説明したす。 い぀も䜿っおいる.bibファむルの名前を references.bib ずしたす。 䞭身はよくある文献リストで、次のような感じだずしたす。 ...

December 8, 2015