仕事と学業と育児のトリレンマ

社会人博士として大学に入学してそろそろ2か月になります。 現状を俯瞰すると、いろいろとまずい状態にあるように思われるので、問題点を列挙してみようと思います。 まず、平日に仕事と学業が思ったほど両立できていません。 今の研究室とは共同研究のご縁で配属させていただいたため、昨年度までは業務内容と学業の内容にオーバーラップがありました。 これを利用して学位取得のための研究を進められると踏んでいたのですが、現状そうはなっていません。 というのも、今年度から組織編成が変わり、業務内容が変更されたためです。 今のところ、上司は過去の業務を精算する時間として、昨年度の研究に時間を割くことを大目に見てくれています。 しかし、そのうち新しい業務項目に本格的に携わることになるのは不可避でしょう。 また、ここ最近書類の作成業務が重なったことも、研究の進捗を阻んでいるように思います。 また、平日の夜は一瞬で過ぎます。 子どものご飯を上げる、お風呂、寝かしつけなどをしていると気づけば22:00を回ります。 この時間以降に勉強を進めようとしていた時期もあったのですが、子どもが夜中に目覚めることが多く、その結果自分も寝不足になるため、最近は一緒の時間に寝てしまっています。 なにより問題なのが休日の過ごし方です。 平日に学業ができていない焦りがあり、常にiPadを手に持ち論文を読みながら子どもの相手をしています。 子どもは少しでも目を離すと視界から消え、気づくとティッシュなど手の届く場所にあるものをなんでも食べようとするので、常に見ておく必要があります。 そこに中途半端に勉強の要素を導入しようとしても無意味です。 子どもをまともに見守れず、かといって論文も全然読み進められない、当然の結果に陥っています。 妻は現在育休中であり、平日の昼の家事育児はお願いしています(朝ご飯は各自、備品の買い物、ゴミ出し、掃除などは自分が担当しています)。 このため休日まで家事育児に時間を割いてもらうのは申し訳なく、妻には土日の一方をリフレッシュデーとして自由に外出してもらうようにしていました。 しかし僕の入学以降、家事育児がおろそかになり始めてしまったため、見かねた妻が家にいてくれるようになってしまっています。 ホットクック、食洗機、ロボット掃除機などの時短家電はすでにフル稼働しており、生活は多少楽になりましたが、本質的な改善には至っていないというのが実感です。 妻から見れば、平日ただでさえ家事育児を放棄しているのに、休日もタブレット片手に漫然と過ごす夫に辟易する、といったところでしょう。 実際口にはしませんが、ストレスはたまってきているように思います。 優先順位を考えると、一番が家庭、そのつぎに食い扶持を稼ぐための仕事、最後にキャリアのための学業となるのは自然です。 しかしこの順位でこなしていくと、永遠に学業が進捗しません。 学業が進捗しない→家事育児が中途半端になる→妻のストレスがたまる→自分も消耗する→学業が進捗しない、という精神的な負のスパイラルが発生し始めているようにも思われます。 問題点をまとめると、 平日の昼に内職的に学業を進めているものの、時限である 平日の朝や夜の子どもが起きていない時間に進めたいが、就寝時間が犠牲になる 休日に家事育児と学業が両立できない という感じです。 タイトルの通り、仕事と学業と育児のトリレンマです。 まとまった時間の確保には、やはり休日の時間の使い方が鍵であるように思われます。 そこで、先日妻に相談し、休日にそれぞれ2時間ほどまとまった時間を確保し、僕は勉強に、妻は休憩に充て、それ以外の時間は平等に家事育児に時間を割く、という取り決めを交わしてもらいました。 この仕組みがうまくワークすることを祈るばかりです。

June 20, 2021

子の寝かしつけ

娘が大きくなってきた。 以前は寝かしつけに相当苦労した。 縦抱っこをしながら子守唄を歌う。 寝息を立て始めてしばらくして大きな吐息が聞こえたら、そっとベッドに寝かせる。 少しでも乱暴な置き方をするとパチリと目が覚め大泣きされる。 こうした動作を繰り返すうちに1時間は余裕で経過する。 今は違う。 初めからベッドでごろごろさせながら一緒に遊んでいるうちに、そのまま寝息を立て始めることが増えた。 寝かしつけが随分と楽になった。 今日、久しぶりに娘の寝つきが悪かった。 久しぶりに縦抱っこをしながら子守唄を歌う。 ほんの1ヶ月かそこらぶりのことなのに、随分と懐かしく感じた。 同時に、こうして困らせられながら育児をする期間にも終わりがあるということを強く感じてしまい、急に感情が揺さぶられた。 柄にもなく涙が出てきた。 僕はうまくやれているだろうか。 この先うまくやれるんだろうか。 わからないけれど、やれるだけやってみるね。

June 20, 2021

博士課程に進学しました

この4月から、東京大学の数理科学研究科に博士後期課程の学生として入学することになりました。 入社当初から会社の上司には学位を取りたいと伝えていたのですが、足掛け5年でようやくスタートを切ることができた次第です。 入社時は学生時代の指導教員が会社の近くに研究室を構えていたため、そこに通うことを狙っていたのですが、東京転勤によって難しくなってしまいました。 東京で会社に勤めながらチャンスを伺っていたところ、共同研究のご縁から指導を許可いただける運びとなりました。 なお、仕事は続けるので社会人博士です。 修士までは制御工学のどちらかというと理論寄りの研究をしており、会社でもそこで培った知識を用いて研究していたのですが、博士課程ではより数学的な研究をさせていただくことになります。 具体的には、制御にまつわる偏微分方程式を数値的に解く際に、代数解を精度良く近似している保証を与えてくれる計算手法の開発を目指します。 このトピックは会社で研究を進めるうちに遭遇した課題であり、少なくとも自分にとっての需要は大きいです。 一方、解決には偏微分方程式に関する深い知識を必要とするため、素養が皆無の自分には明らかなチャレンジだと感じます。 加えて、プライベートな懸念もあります。 入社当初は独身で失うものもなく、休日に頑張れば両立できると高を括っていました。 しかしながら5年たった今、結婚し子どもを授かったことで、土日も家庭に時間を割く必要が生じています。 このような状況において、博士課程の3年は一瞬であり、時間との戦いになることは明白です。 以上のように不安は尽きませんが、30代最初の挑戦として相応しい舞台に立てたことを前向きに捉えて、しっかり時間管理して研究に励もうと思います。

April 3, 2021

2020年の振り返り

気づけば年の瀬です。 今年はコロナ禍で在宅勤務が一定期間続いたためか、矢のように時間が過ぎたと感じます。 自分は割と一人が好きなので、はじめのうちはリモートワークを歓迎し、集中して作業を進めることができました。 しかし後半になると、生活リズムがずれるとともに倦怠感を覚え始め、作業効率がガタ落ちしてしまいました。 そのせいか、今年度のアウトプット目標は「年度末までに3本投稿」でしたが、今の所2本しか投稿できていません。 うち1本はリジェクト、もう1本はアクセプトでした。 どちらも自分としてはハードルが高い雑誌だったので、1本アクセプトされたことは十分検討したとも言えそうです。 ただ、あと1本投稿できる見込みはまったく立っていません。 なんとか希望が見えるところまで頑張りたいです。 下記、今年経験したイベントと、来年経験するイベントです。 結婚した 結婚しました。 自分が実家と問題を抱えていてしんどい思いをしていたときから支えてくれた人です。 もう自分ひとりの命じゃないと感じます。 妻の応援に応えられるよう、今後もがんばります。 子どもを授かった 娘が生まれました。 コロナ禍の中大変な出産でしたが、無事に生まれてきてくれました。 もう自分ひとりの命じゃないと感じます(2回目)。 せっかくなので2か月育休を取得し、がっつり子育てに携わりました。 おむつ、ミルク、ギャン泣きの無限ループ世話に精神が削られました。 妻のワンオペでは絶対成り立たなかったと思います。 職場復帰後も、これまで比べ効率を重視した立ち回りが必要になりました。 土日の勉強時間が確保できなくなり、正直もどかしい思いもしています。 ただ、こうした悩みよりも、子どもが育っていくのを見守る喜びが上回ってくれるのが救いです。 これからどんな子に育つか楽しみです。 入学試験に申し込んだ 会社の許可が折りたため、2月に社会人博士過程の入学試験を受験する予定です。 無事受かれば、4月から「会社人」「夫」「父」「学生」の4つの肩書を背負うことになります。 正直、去年もけっこう大変だったので、今からやっていける気がしていません。 ただ、これらすべては自分で望んだことなので、頑張ってやり遂げたいです。 以上、今後ともよろしくお願いします。 皆さま良いお年を! Amazonウィッシュリスト

December 31, 2020

LaTeXで2カラムの原稿の両側にページごとの行番号を振る

タイトルについてです。 lineno.styを使うのですが、そのまま用いても以下の問題がありました。 右ページの番号が真ん中に来ちゃう ページごとに番号が改まらない 数式のところでカウントがバグる ちょっと長いですが、以下のようにすると解決しました。 オプションにpagewiseを指定するのがポイントです。 \usepackage[switch,pagewise]{lineno} \newcommand*\patchAmsMathEnvironmentForLineno[1]{ \expandafter\let\csname old#1\expandafter\endcsname\csname #1\endcsname \expandafter\let\csname oldend#1\expandafter\endcsname\csname end#1\endcsname \renewenvironment{#1} {\linenomath\csname old#1\endcsname} {\csname oldend#1\endcsname\endlinenomath}} \newcommand*\patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno[1]{ \patchAmsMathEnvironmentForLineno{#1} \patchAmsMathEnvironmentForLineno{#1*}} \AtBeginDocument{ \patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno{equation} \patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno{align} \patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno{flalign} \patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno{alignat} \patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno{gather} \patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno{multline} } \linenumbers

November 8, 2020