愛知に戻ります
先日、会社から愛知に戻るよう内示を受けた。 こちらに転勤してきて4年、そろそろかな、と心構えをしていたつもりだったが、意外と動揺する自分を発見した。 自分は大学に入るまでの18年間を北陸の地方都市で過ごし、その後大学で大阪、大学院で京都、就職で愛知、転勤で東京、と約3年ごとに拠点を移してきた。 特定の土地に思い入れがあることに気づいたのは、京都の大学を卒業して愛知に就職した時だった。 就活をしていた当時は留学から帰ってきた直後ということもあり、日本食が食べられるのならどこでも、という感じだったのだが、就職してから思いの外京都を懐かしく感じることに気づいた。 そして帰任準備を始める今も、すでにこの地を離れがたい気持ちになっている。 毎日の生活はどこにいても大差ないはずなのに、何が違うのだろうか。 自分はその土地の何が好きだったんだろうか。 思いつく点を挙げてみる。 水辺であること。野生動物のようで認めたくないが、自分は川や湖の近くに住むとテンションが上がるらしい。京都は鴨川、東京は神田川や、愛知は堀川(伏見)がお気に入りだった。 公園があること。1. と関わるが、緑や事前を適度に感じる場所が必要。東京に来て驚いたのがこの点。これまで住んできたどの街より、公園が充実していた。 歩行者が多いこと。移動を目的とした人でなく、移動自体を楽しんでいる人が往来している場所が好き。観光地はもちろんだが、商店街に魅力を感じる。 公共交通機関とのアクセスが良いこと。自分は運転が苦手であり、近場からバスや電車に乗って、外をぼんやり眺めながら移動するのが好き。車での移動を前提とした愛知の暮らしはあまりしっくり来なかった。 友達がいること。関東にも関西にも、数は少ないが学生時代の友人がおり、折につけて会うことができる。残念ながら愛知には会社の知り合い以外に気軽に会える人がおらず、家族以外の人間関係が希薄である。 以上を一言でまとめると「賑わいのある街」になるだろうか。 自分は人見知りの部類であり、あまり親しくない知人と会う予定があると、気疲れしてしまう。 こうした気質から不足する他人との繋がりを、人が往来する街を歩くことで、都合よく実感しようとしているのかもしれない。 愛知に戻るのは少し残念だが、仕事の内容は楽しいし、勤務地を理由に会社を辞めることはない。 引っ越しにあたっては、上記の点がなるべく満たされるような場所を選びたい。