入出力線形化
入出力線形化 (フィードバック線形化) とは 非線形システムに、非線形性を打ち消すような入力を加える事で、閉ループ系を線形化する制御法。 安定化が目的ではないので、得られた線形システムに対して線形制御法を適用する必要がある。 利点として 通常の(ヤコビアンを用いる)線形化と違って、近似を用いない 欠点として システムの動特性を全て知っていなければならない その動特性は正方、入力アフィンという形をしていなければならない (拡張可能) 線形化のために大きな入力を加えるため、入力飽和などのあるシステムに適用しづらい などが挙げられる。 入出力線形化 #仮定 今、制御対象が以下の動特性に従うとする。 $$\dot x = f(x) + g(x)u\ y=h(x)$$ $x(t) \in R^n, u(t) \in R^m, y(t) \in R^m$はそれぞれ状態、入力、出力を表す。 $f:R^n\rightarrow R^n$および$g: R^n\rightarrow R^{n\times m} $については特になにも仮定しないが、$h: R^n\rightarrow R^m$は必要回数分だけ微分可能だとする。 このシステムは入力に対してアフィンな形をしているため、そのまま入力アフィン (input-affine, control-affine) と呼ばれる。 入力アフィンシステムは、機械システムなどによくみられる、非常に重要なクラスらしい。 また、今回入力と出力の次元は同じと仮定している。 このことをシステムは正方 (square) であるという。 #線形化制御器 今、 $$u = C(x,v)$$ を設計することで、与えられた非線形システムを$v$から$y$に対して線形にすることを考える。 この問題に対して、いきなりだが制御器$u$を、下記で与えてみよう。 $$u = L_gh^{-1}(x)(-L_fh(x) + v)$$ ここで、Lie微分と呼ばれる記法 $$L_fh(x) = \frac{\partial h}{\partial x} f(x)\ L_gh(x) = \frac{\partial h}{\partial x} g(x)$$ を用いた。...