概要
もう2年前のことになるが、当時大学院入試を控えていた僕は、いろいろ考えた末に京都大学の情報学研究科システム科学専攻を受験することに決めた。
そこで今日は自分がどのように入試に臨んだかを書き記しておく。
過去問
まずはなんといっても過去問。 システム科学専攻の公式HPに置いてある。 試験内容は
- 基礎科目 (微積分・線形代数)
- 専門科目 (論理回路・機械力学・工業数学・基本ソフトウエア・電気電子回路・確率統計・制御工学・オペレーションズリサーチから2問選択)
からなる。 本番までに5年分は解いておきたいが、まずは雰囲気を掴むためにも1年分解いておくといい。
参考書
頭のいい人なら過去問だけでもなんとかなるのだろうけど、僕のような凡人は問題集を使って足りない頭を補強することにした。
基礎科目である数学は、専門科目に比べ難易度が高めなため、極めれば得点源になる。 自分は微積分と線形代数の勉強としてそれぞれ、演習大学院入試問題 <数学> Iの1章と2章を取り組んだ。
専門科目は制御工学と工業数学を選んだ (周りを見てもこの組み合わせが多かったように思う) 。
制御については
フィードバック制御入門 (システム制御工学シリーズ)
の各章の章末問題を解き、工業数学は
演習大学院入試問題〈数学〉II
の2章をやった。また、万が一の予備科目として論理回路を
論理回路の基礎
で勉強した。
僕の場合、春休みまでに英語の試験を受け終え、4月から基礎にじっくり取り組み、専門は残り1ヶ月程度取り組んだ。
要領のいい人なら合計2ヶ月弱で終えられると思う。
また自分で言うのも何だが、ここでセレクトした参考書には少し自信がある。 基礎数学と制御工学に関しては、参考書そのままの問題が過去問に出て、「あ!これ進研ゼ (ry」となったこともある。 参考書選びで迷っている人には、強くお薦めします。
その他
下賤な話だが、本専攻の入試は他大学院に比べ設問自体少なく、各年の傾向も似通っているため、穴場だと思う。
とはいえ最も大事なのは、大学院で何をやりたいのか明確な目標をもつことだろう。
目標をもつことは試験勉強のモチベーションに繋がるし、進学後にやるべきことも明確になる。
具体的な目標をイメージしづらい人は、前もって研究室見学には行くといいだろう。
現在主にどのような研究をしているのか、どんな実験器具があるのか、研究室の雰囲気はどうなのか、といった、ネットでは中々わからない情報が手に入る。
研究室のメンバーも外部からの刺激に飢えている (?) ので、歓迎してくれるはず (もちろんアポは忘れないこと) 。
また余裕がある人は、研究室のメンバーが書いた論文を読んでみることをお薦めする。
漠然とした研究内容を具体的に把握でき、やる気が高まるし、研究内容のミスマッチを防ぐこともできる。
本専攻ヒューマンシステム論分野にご在任の加納学教授のブログには、大学院進学に関してたくさんのアドバイスが書かれている。 例えばこのエントリなどは大学院進学を決意するにあたってはじめに読んでおきたい。